今回は3メガバンクのインターネットサービスについてです。国内取引を含めいろいろなサービスが提供されていますが、本稿では外為関連のサービスを比べてみたいと思います。
比べるポイントは以下の5点です。
1. サービスの名称
2. 取引可能な内容
3. 利用出来る時間帯とかかる料金
4. 輸出買取や取立は出来るか
5. 先物為替予約の期日変更は出来るか
1~3はその通りですが、4、5は説明を少しだけ。折角比べるのですから具体的な取引、ネット環境では難しそうなもの。これを二つ選んで、ネットで完結するのかどうか調べてみました。それでは始めます。なお三菱UFJ銀行はMUFG、三井住友銀行はSMBC、みずほ銀行はみずほと略すようにします。
1. サービスの名称
MUFGは外為全体を「Biz STATION(外為サービス)」、先物為替予約はその内訳として「Biz STATION(FOREXサービス)」。SMBCは「Global e-Trade」、先物為替予約は別立てで「i-Deal」。みずほは「e-ビジネスサイト」(この中に何でも入っている)。
どうも名称だけでは優劣は出せない状況ですが、名称が細かすぎるのは困りますが、かといって大雑把ではその名称だけでは外為がどうか分りません。その点ではSMBCが半歩リードと思います。
2. 取引可能な内容
これは3行共に同一内容と言っていいぐらいです。仕向、被仕向、輸出入、外貨預金、先物為替予約など、少なくともHP上では優劣はつけられませんでした。
3. 利用できる時間帯と料金
利用時間帯ですが照会と書類作成は、24時間できるサービスが殆どで、3行に差異はありませんでした。銀行への依頼時間帯は、開始時間は営業日の8時頃からですが、終了時間が19時以降も出来るものと、そうでないものが見られました。これも「優劣は無し」と判定します。
料金面ですがここは3行で違いが見られた部分でした。(以下税込み)
MUFGは初回のみ必要となるのが18,260円、月々必要な料金が外為全部で16,500円。SMBCは初回55,000円、月々は外為全部で38,500円。みずほは初回55,000円、月々は外為全部で22,000円。ちなみに先物為替予約は3行共に無料です。MUFGの安さが目を引きます。
銀行の料金は交渉次第でいくらでも動きますが、規定料率以上にはならないので、MUFGが優位と言えます。
4. 輸出買取や取立は出来るか
この項目は正確に言うと、買取や取立の依頼をする際に、全ての書類がWEB化されているかどうかを知りたかったのです。しかしすべてオンラインで出来るとした銀行は、一行も有りませんでした。
SMBCはB/Lは現物を銀行に別途持ち込むとしたスキーム図を、掲載していました。みずほ銀行は調べるといきなり利用規程に誘導されて、条項を熟読してやはりB/Lは別途持込が必要と分りました。MUFGは見た限りでは、判別出来ませんでした。SMBCとみずほが、ワンポイントのようです。
5. 先物為替予約の期日変更は出来るか
特に期日延長は異常として原則不可。こう仕切っているか。見ました。延長を無条件で可とする銀行はありませんでした。MUFGは「期日変更は事後取消可」、SMBCは「当行判断で受付不可」、みずほは「真にやむを得ない場合のみ可」としており、ここはみずほの書きぶりに座布団一枚と言えます。
以上見た限りでは、サービスそのものには差が見られません。使い勝手の善し悪しは、実取引での銀行対応が全て。こんな結論になってしまいそうでした。
ご参考: 3メガバンク各サイト
MUFG
https://bizstation.bk.mufg.jp/service/index.html
SMBC
https://www.smbc.co.jp/hojin/eb/e-trade/
みずほ
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/account/ebusiness/index.html
2020/09/03