多くの場合外為を持ち込む銀行は、メインか準メイン銀行だと思います。
しかしこれらの銀行が外為を得手としない場合が多々あります。
その時企業担当者の脳裏に浮かぶのが、3メガバンクではないでしょうか。では3メガのどことするか。いろんな思いが去来するに違いありません。
そこで今回はこの選定に「行風の違い」もポイントになるのでは? こう考え付いたので、このお話しを進めたいと思います。
尚以下の文章はあくまでも私の個人的見解です。客観性や公明さは填補されてません。その点お含み置き願います。
1.三菱UFJ銀行
言わずと知れた日本を代表する銀行です。海外での知名度も高く、世界的な打合せがあった場合に、先ずお声が掛る銀行です。なおこの銀行に限らずメガバンクはすべて複数行の集合体です。三菱UFJ場合は三菱とUFJです。さらにUFJを紐解くと、三和と東海からなります。三菱は東京が地盤、三和は関西が地盤、東海は中京が地盤でした。
では現在の行風はと言えばずばり三菱流です。勿論、三和の「野武士集団」や東海の「名古屋流」も垣間見えますが、あくまでもメインは三菱流です。「組織の三菱」と言われるように担当者の当たり外れも少なく、安定した銀行の対顧客姿勢が与える安心感は抜群と言えます。加えて外為分野では東京銀行の遺産は大きく、戦前の横浜正金銀行の流れを受け継いでおり、外為担当者から見てまさに外為エキスパートの存する銀行。「外為エリート銀行」こう呼んでも言い過ぎではないと言えます。
2.三井住友銀行
こちらは「人の三井」と評されるほど多士済々の三井銀行と、「浪速商人」と言われる住友銀行の組み合わせです。ちなみに三井銀行は太陽神戸銀行と合併して、さくら銀行となっていましたので、太陽銀行の無尽組織、神戸銀行の兵庫県民銀行の性格もDNAとして有りました。
さてこの銀行の行風は今となっては住友流です。住友流は別名「体育会系」とも、「走り出してから考える集団」とも呼ばれる物です。この流儀と波長が合えば、これが銀行かと思うほどツボにはまった、面白くかつ自社も儲かる商売ができます。外為は伝統的にアジア地区に強く、自社の取引相手がアジアならば、そのメリットを十二分に享受できるはずです。
3.みずほ銀行
みずほ銀行は簡単に言えば、みずほコーポレート銀行とみずほ銀行の合わさったものです。さらにその前身をたどると、日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行となります。これらの銀行はそれぞれ歴史があり、行風も様々なのですが、前述1.2.の銀行と違って、興銀・一勧・富士の三行からどこか一つの銀行が前に出てきて、おれがみずほ銀行だ!というような事は出来ませんでした。
これがかなり後まで、旧行意識が残っていたことの現われでしょうか。そんなみずほ銀行の行風ですが、一言言えば「穏やか」といえます。「エリート意識」や「人生気合いだ!の体育会系」に辟易する向きには、消去法的にこちらが選択されるのかもしれません。
以上3行を見てきましたが行風はあくまでもご参考でして、やはりその他の条件を詳しく検討されることをお勧めします。特に自社の近隣に支店がある銀行は、何かと利便性が高く、まず筆頭に検討すべきと考えます。
2020/06/07