2019年2月1日に日本と欧州のEPA(経済連携協定)が発効されました。これによりフィンランドの対日輸出が大幅に増加することが見込まれます。
フィンランドにおける対日輸出は、アジア諸国の中では中国に次ぐ第2位の貿易相手国。
2017年統計では、フィンランドから日本への輸出額は13億ユーロ。
日本からフィンランドへの輸入額は7.16億ユーロで、日本から見るとフィンランドからの輸入超過となっています。
今回の協定締結により、関税撤廃の対象品目がぐっと増えました。欧州から日本への関税撤廃率は約94%。
例えば、フィンランドから日本への輸出既存品目である木材コルクや非鉄金属に加えて、プラスチックや化学薬品、そして食品の輸出が予想されます。
フィンランドは現在、サーキュラーエコノミー (循環経済)政策の促進中。プラスチックや食品に特に注目しており、日本のこうした市場への参入が見込まれています。
反対に日本においても対フィンランド輸出にも拍車がかかると予想されます。日本からフィンランドへの関税撤廃率は99%となり、牛肉、お茶、そして日本酒の輸入規制が撤廃されました。フィンランドで日本産のお酒を見る日が待ち遠しいです。
さて、フィンランド技術庁(Tekes)とフィンランドへの企業誘致を実施するフィンプロが統合された組織「ビジネスフィンランド」では、早速フード・イノベーションと題したセミナーが開催されました。近年、世界中からフィンランドの食に注目が高まる中、今後、中小企業を中心に食の経済として25%の成長を目指しています。このような背景をもとに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会における「フィンランド・パビリオン」に出展予定で、フィンランドの食の普及に力を入れています。
以前このコラムで紹介したフィンランドの昆虫食についても、世界へ進出することを見込んでいる企業もあり、もしかしたら日本で昆虫食がお目見えするかもしれません。
また、食品包装業界とのパートナーシップにも重点をおいています。サーキュラーエコノミー政策の一つであるプラスチック戦略に対応するために、食品包装のプラスチックごみ問題の解決に取り組んでいきます。
長年フィンランドの主要産業である森林産業においても、環境に配慮したバイオ燃料が注目を浴びていますので、バイオ関連の品目も日本へ進出していく可能性があります。
2019年は、フィンランドと日本の外交関係樹立100周年。このような年に経済連携協定が締結されたのは、歴史的な出来事です。両国の経済がますます発展していくよう、フィンランドから見守りたいと思います。
参考コラム:
Terve!フィンランドで未来の食が出現?!
https://www.rakuraku-boeki.jp/finland-dayori/2018-10-06
2019/02/13