輸出を行っている皆さん!
皆さんには釈迦に説法かもしれませんが、船積が終われば、後は資金回収で一件落着ですね。ご苦労様です。
当初の契約にもよりますが、そんなに時間が掛らない場合が、圧倒的に多いはずです。遅くても一年後までぐらいでしょうか。
ところがまれに、とんでもない話が出てきます。
今回はそんな話になったメーカーさんからのご相談です。
この会社。東南アジアに向け自社機械を輸出しています。扱い商品は欧州メーカーとの競合が厳しく、商談は毎回難航しています。特に問題になるのが決済条件で、全額後払いになるそうです。後払いと言っても1年程度が限度の日本側に比べ、欧州の競合相手は5年でも7年でも構わない。こう言ってくるそうです。
これでは勝負になりません。なんとかならないか。智恵を出して欲しい。ざっくりと言えばこんな内容のご相談です。
ネットでこの相談が開示されると、銀行関係の会員から、いくつかの解決策が提議されました。それをご紹介していきます。
まずは基本案として、日本貿易保険の輸出保険の利用です。日本貿易保険は過去触れたことがありますが、元々は通産省(現経産省)の貿易産業局が、独立法人化したものです。独法化当時はお役所気質丸出しの所もあったのですが、最近ではすこぶる付きの商売熱心で、銀行としても案件相談や、お客様の誘導とか、何かと接点が多くなってきています。
当初、相談してきた銀行所属の貿易アドバイザーは、日本貿易保険に問い合わせたそうですが、定型商品には超長期のものはない。と断られてしまったようです。
そこで他のみんなのお知恵拝借と言うことらしいのですが、出てきた案を見てみますと、
1.保険会社と組んで債権流動化を図り、当該債権を売り切ってはどうか
2.フォーフェイティング(銀行が買戻請求権なしに債権を買取)をする
3.輸入国の銀行からBOND(支払保証)を差し入れて貰う
4.バイヤーズクレジット(日本の銀行が輸入者に資金を貸付)
5. バンクローン(日本の銀行が輸入国の銀行に資金を貸付)
などが出てきました。(ちなみに4・5は私が気づいたものです)
これらを基に議論白熱。と言いたいところですが意外なことから話が落着を見ました。
横レスをしてきた1人の会員(貿易アドバイザー)が、日本貿易保険に個別照会をしたときに、5年を越える輸出案件でも、保険対象とする。こういった言質を得たと書いてきました。
日本貿易保険が受けてくれるのであれば、それが一番です。話は急遽その線で収束してしまいました。結果がどうなったのかの報告はまだですが、上手くいっているのであれば何よりです。
今回のお話、尻切れトンボみたいで恐縮ですが、ご参考になりましたでしょうか。
2019/01/09