日経新聞の金融経済欄に、ショッキングな見出しが有りました。
「地銀6割、現金送金停止!」何のことだと思われますか。
これ実は過半の地銀が現金扱いの海外送金を止めている。こういった状況を表現しているのです。
意図するところはマネロン対策強化のようですが、現金以外での海外送金利用者であっても、傍観できるような話ではない。
こう考えて今回はこのテーマについて考えてみます。
ご承知のように、地銀の経営状態は大変厳しいものがあります。全国の地銀は存亡をかけて、あらゆる手を講じているのが実態です。外為も例外ではありません。外為収益は手数料を根幹とします。自らの資本を投じること無しに、収益を挙げられます。この点モチベーションは高く維持できるものがあります。
しかし実際にはトップクラスの首都圏地銀を除いて、どちらかと言えば半身の構えのところが多いような気がします。もし自分の取引銀行がどこかの地銀だったら。こう考えると、気がついてみたら肝心の外為が制限だらけになっていた。この可能性もあります。こうならないために留意すべき点をお伝えします。
まず留意点その一は、取引銀行が自前でやっているかどうかです。自分の所でやっていなければ委託している銀行の都合で、いろいろな制限が掛かってくる可能性があります。場合によっては外為そのものから撤退する恐れもあります。こうなっては、対策を取ろうとしても上手くいくわけはありません。
転ばぬ先の杖です。外為をキチンとやってくれる銀行かどうか。見分け方をご参考までにお話しします。
見分け方その一。
計算書の欄外に着目。何か数字や記号はないか。既に外為取引を行っているのであれば、計算書を見て下さい。欄外に数字や英文字で記載がありませんか。これがあれば、その計算書は伝票とセットになった、その銀行の制定帳票です。つまり勘定起票をしていることの証拠になります。
メガバンクなどに丸投げをしている場合は、計算書と言っても単なる記録で、勘定起票とは無縁のものが多いです。意味の無い文字数字ですが、こんな時に役に立ちます。もし外為取引をこれから始めようと言うのなら、
銀行の担当者に「海外から送金が来るので、IBANかSWIFTを、教えて欲しい。」
こう尋ねてみて下さい。(IBANはアイバン、SWIFTはスイフトと呼びます。)
返事がすぐあるようでしたら、自前の外為である可能性は高いです。
ただしIBANは先ず無いので、SWIFTがその回答のハズです。
見分け方その二。
銀行のHPを見て下さい。インターネットでの外為サービスの提供はありますか。意外に多いのが外貨両替だけの場合です。これは、あるメガバンクの外貨宅配サービスへの誘導です。外国送金などの外為取引とは関係ありません。どちらかと言えば外為にネガティブな対応といえます。
これらの結果。あまり良い感触が得られなかった場合、自前で外為をやっていないことが判明した場合、思い切ってメガバンクでの取引をお勧めします。
メガバンクの外為サービスはもちろん自前です。その点は安心です。どこにも丸投げしてません。インターネットサービスを利用するようにすれば、銀行店舗を訪れる必要も先ずありません。
メガバンクの店舗統合の話題が出ていますが、現時点では、いずれかのメガバンクが全都道府県にあります。外為取り扱いのフロントランナーとして、メガバンクのアドバンテージは当分続くと思いますので、あれこれ考えるよりも、早めに動いた方が良いかもしれません。
参考になれば幸いです。
2018/11/26