夏本番となりました。
夏休みに海外旅行の計画を立てている、という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、海外旅行で役に立つVAT(付加価値税)の還付についてお話ししたいと思います。
VATとは、Value Added Tax=付加価値税を指します。日本では消費税にあたります。
物品サービス税ともいい、物やサービスを購入した際に課せられる間接税のことです。
欧州やアジアの国々で導入されています。
VATは国内消費される物品にかかる税金です。輸出非課税の原則から、旅行者の購入品は輸出品とみなされ、免税または還付の措置が取られています。ヨーロッパではおおむね15~20%と高税率ですから、免税または還付されるなら、買い物がもっと楽しめますよね。しかし、それには条件と手続きが必要です。
◆すべてのお店、商品が対象ではない!
VATの免税や還付は国や機関が認めた店舗での買い物に限られます。日本でも「Tax Free」マークを見かけることが多くなりましたが、このマークのあるお店では免税書類(リファンドチェックやショッピングチェックと呼ぶ)を発行してもらえます。ただし、マークがなくても高級ブランド店などでは書類を発行できる場合がありますので、店員さんに確認しましょう。
また、食品や飲料などの消耗品は対象にならない場合があります。日本は消耗品も免税対象ですが、日本国内で開封してはいけないなど、一定のルールがあります。さらに、一般的に購入金額の下限と上限も設けられています。
◆すべての外国人が対象ではない!
入国後の滞在期間が一定期間以上(日本であれば6か月)を超える場合、適用されません。また、非居住者が対象者ですが、EU加盟国間の移動では還付されないので、EU圏の最終出国空港で手続きを行います。
日本人でも、海外在住者で6か月以内に出国する人は、免税対象者となります。ただし、消耗品は購入日から30日以内の輸出するものに限られるので、購入時期をよく考えましょう。
◆手続き方法は3パターンあり?
【1. 出国時に還付を受ける方法】
出国時に税関で購入品、レシート、パスポート、航空券または搭乗券を提示。お店で発行してもらった免税書類に輸出承認スタンプを押してもらいます。そして、リファンドオフィスや払い戻しカウンターでこれらを再度提示し、リファンド申請します。
【2. 出国時前に還付を受ける方法】
町中や大型店、アウトレットなどに設置されているリファンドオフィスで手続きすることで、還付を受けられます。
出国時には税関手続きが必要です。出国空港の税関で免税書類に輸出承認スタンプをもらい、期限内に書類を所定の住所に返送します。書類が期限以内に届かなければ、還付額と手数料の合計金額がクレジットカードに請求されてしまいます。
【3. 免税額で購入できる方法】
予めリファンド額を差し引いた金額で購入し、免税書類を発行してもらいます。出国前にリファンドオフィスで還付を受ける場合と同様に、出国時に税関手続き、書類の送付が必要です。
万が一税関が輸出承認スタンプを押し忘れると、免税が受けられません。また、購入品の確認を求められる場合があるので、機内持ち込みにするか、チェックインの際に手荷物引換証を発行してもらい、税関手続き後に荷物を税関職員に預けます。
払い戻しは現金かクレジットカード、小切手の自宅郵送の方法があります。リファンド率は手数料等を引かれるため、100%ではありません。
リファンド手続きを請け負っている会社はグローバルブルー、グローバルタックスフリーなど。払い戻しを受けられる主な国は、EU(イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、スペイン、ドイツなど)、シンガポール、韓国、オーストラリア、カナダなどです。
ところで、どちらも免税店と訳されるTax Free ShopとDFS(Duty Free Shop)。違いはご存知でしょうか?
・Tax FreeはVATのみの免税
・DFSは消費税のみならず関税や酒税、たばこ税等の複数の税金が免税されます。
その国の非居住者が利用できますが、日本では例外的に「Tギャレリア沖縄」で沖縄県外から来た人であれば利用できます。つまり、日本人でもOK。免税額でお買い物できます。
税率や適用金額、リファンドの方法は国によってそれぞれ違うので、旅行前には事前に調べておくといいでしょう。
2018/07/13