スマートデイズが手がけたシェアハウスの件は。前から大変興味がありました。特に銀行がらみの部分です。一言で言えば「バブルを思い出す。」そんな気持ちでした。ローンを実行した銀行を気にしていたら、最近大きく報道されていました。 この銀行は静岡県東部を地盤とする地方銀行なのですが、ユニークな融資戦略で金融庁も地銀生き残り策の一つとして、注目していた銀行です。|カボチャの馬車にシンデレラはいなかった?

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公開日:2018.05.21

カボチャの馬車にシンデレラはいなかった?

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今回は外為から外れますが、見出しのテーマで書いています。

スマートデイズが手がけたシェアハウスの件です。前から大変興味がありました。

特に銀行がらみの部分です。一言で言えば「バブルを思い出す。」そんな気持ちでした。

ローンを実行した銀行を気にしていたら、最近大きく報道されていました。

この銀行は静岡県東部を地盤とする地方銀行なのですが、ユニークな融資戦略で金融庁も地銀生き残り策の一つとして、注目していた銀行です。有り体に言えば評価されていたのです。

自分がこの銀行の融資担当者だったら。どうしたのだろう。これが今回のお話の焦点です。

ではまず具体的に、案件を受け付けたときを想定してみましょう。借入れ希望者本人から、確認するポイントは以下の通りです。

1. いくら必要なのか(必要金額です。これが最高・最大に重要です!!)
2. 何に使うのか(資金使途です。これも重要です)
3. どうやって返済してくれるのか(返済原資・方法です。)
4. 担保や保証は付けられるのか(これがあると審査は容易になります。)
5. 何時返してくれるのか(貸出期間です。ローンは長期が多いです。)

これを今回の話に当てはめてみます。

1. 一件あたり一億円のようです。不動産案件として目を見張るような金額ではありません。
2. 収益物件購入資金です。貸金全額が充当されても、それはありです。
3. 返済原資は当該不動産の家賃収益からです。これも当たり前に近い話です。
4. この部分は想像です。担保は当該不動産に第一順位の抵当権を設定。加えて団体信用生命保険にも加入。さらに銀行関連の保証会社から保証を取り付ける。こんな感じではではないでしょうか。かなり厳しめです。勿論、保証料等は借主負担です。
5. 銀行が用意したローンの期間内です。

この銀行のホームページを見ると、これに類する商品が出ています。どうやら上記条件を満たせば審査可能のようです。加えてこの銀行の社長さんが記者会見で言われてましたが、この銀行は審査部門より営業部門が強かったようで、不動産案件は審査が通り易い環境だったようです。

であれば私が担当者でも、「採択願いたい」との意見を付けて、決裁権者に回付しそうです。しかしバブルのあの狂った時代を経験した者としては、どうもそれでは納得いきません。なんか変です。(この辺は感覚の問題で上手く説明できませんが)

あのとき得た教訓を踏まえて、私なりの留意点に触れたいと思います。ポイントは二点あります。先ず一点目は借入希望金額です。

水増しが無いか疑います。売買契約書の写しを貰うことが多いのですが、場合によっては建物の請負契約書を見せて貰います。建物金額と土地評価額(近隣公示地価などから推理)を合算した物と、売買契約書上の契約金額を比較します。

今回の話では実際の物件価格に30%~40%の上乗せが、有ったらしいと聞きますが、この段階でその差額が出てきてます。ここで70百万円の物件に、1億円の融資はおかしい!となっていたはずです。

しかしここまでの話は、書類が正しいというのが大前提です。契約書が本物と銀行提出用の二種類あるとか、請負契約書も偽物となれば、気づかない可能性も十分あります。

そこで二点目です。実はこの点が一番納得いかないのです。預金残高の確認資料として通帳コピーがあったとのことですが、どこの銀行の物なのでしょうか?自分の銀行のものならば、オンライン照会で容易に確認できるます。他行の物であれば求めるのはコピーでは無く、現物の通帳提示か、当該銀行発行の残高証明書であるべきと思います。

ここが曖昧なままスルーしたのであれば、脇の甘い審査と言われてもしょうがない気がします。

以上縷々述べてきましたが、この話は銀行の対応の甘さから、銀行が打ち出の小槌状態になっていたのは事実です。(ひょっとしたら銀行自身が振りまくっていたのかもしれませんが)

今後の展開が心配でならない。これが本音です。カボチャの馬車は12時になったら元のカボチャに戻ってしまいましたが、今後この話がどう展開しても、担当者だけが悪者にならないように、きちんと事実を明らかにして欲しい。そう思います。

今回は長文になってしまいました。ご寛恕願えれば幸いです。

2018/05/21

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