高給取りの代名詞のように言われる銀行員ですが、本当にそうなのでしょうか。今回はその辺のお話です。
今も昔もそうですが、給料が高いか安いかは、サラリーマンやその家族にとって、最大の関心事です。
自分の会社内での位置付けもさることながら、他の業態はどうなのかも非常に気になる事ではあります。それではよく「隣の芝生は青く見える」の代表例として挙げられる、銀行業界ですが行員の給料は実際どうなのでしょうか?
ネットを見るといろいろと出てきます。概ねそこにあげられた数字は多業態に比べて高額であり、一般に「銀行員は高給取り」と言われるのは、ある程度社会的コンセンサスなのだと思います。自分の経験に照らしても数字はそれなりです。むしろもう少し多かったかもしれません。
しかし、ここで声を大にして言いたいのですが、これらの数字は所定労働時間のものと推察しますが、正直言って、いわゆる就業時間が半端ではありませんでした。朝から夕方までずっと仕事をしていた印象があります。
例えば朝は開店準備や訪問準備があるので、みんなそれなりに早く出社していました。5分や10分では準備はできません。もっと前です。日中は店頭での接客や、外を回ったりしますので、他のことをする余裕は全くありません。夕方以降にようやく自分の時間が出来ます。報告書を書いたり稟議を書いたり、打ち合わせや会議をします。なんだかんだとあっという間に時間はすぎてしまいます。
当時はコンビニが普及し始めたころでしたので、その営業時間とわが身の就業時間を重ねて、よく「〇ブン、〇〇ブン」だと自虐ネタにしていました。こんな状況ですから、当時銀行は高給だといわれても、まったくピンと来ませんでした。
給料を就業時間で割ると、学生のアルバイト並みになってしまい、心底メゲテしまった経験があります。所定の労働時間はもちろん決まっていたし、残業すればそれに見合う手当ても出ていました。ただ高給取りの実感なぞ全くありませんでした。
こうなると何を持って高給取りと判断するのか、大いに疑問を感じてしまいます。もちろん今はそんなことはあり得ないでしょうが、それでも某大手広告会社の話を聞くと、いまでも深い闇みたいなものが、ひょっとしてまだ有るのか?と思ってしまいました。
隣の芝が人工芝だったり、本物であっても大変な時間と労力の賜物ということは、多々あります。
何事も上面で判断するのは危険!と、遅ればせながら考えるようになりました。
2017/02/08