今回は最近のケニアで食べられるお肉の嗜好から、
精肉を求めた様々な入手方法についてお伝えします。
ケニアでは定番のお肉から、珍味と言われるお肉など
色んなお肉が食べられます。
例えば、観光スポットとして有名なカーニバルという
レストランがナイロビにあります。
そこでは日常食べる鶏・豚・牛・羊の他に、
なんとワニ・カエル・ヤギ・ラクダなど
日本ではおそらく食べないような
バラエティー豊かなお肉が食べられます。
サファリが広がるだけに、
いろいろなお肉を食べることが出来ますが、
ケニアで昔から最も食べられているのは牛肉です。
ナイロビから少し離れれば、牛の放牧を
各地で見ることが出来ます。
しかし最近では鶏肉がよく食べられるようになったと
実感しています。高所得者の健康思考や品質向上が
主な理由だと考えられます。
地元のKienyajiチキンというブランドも根付いており、
ただ「食べる」という発想から
高品質で安全な美味しい食べ物を求めるようになり、
鶏肉は他のお肉よりも少し割高ですが、急速に普及しています。
また、養鶏場経営は家畜の中でも比較的狭い面積で
かつ低コストで出来ることから質の管理がしやすい為、
美味しい鶏肉がたくさん作れるそうです。
需要の増加に伴い、養鶏所経営はミリオネアになれると
新聞で取り上げられる程、ビジネスとしても注目が集まっています。
鶏肉が需要に拍車をかけたのは、
外資系外食産業の参入と考えられます。
代表的なのはケンタッキーフライドチキンで、
ナイロビに現在4店舗で続々と増えています。
驚きなのは、この国では先進国のファストフードが
高級食として受け入れられていることです。
近年の経済成長で増えた中間層が外国の味(外食)を
楽しめるようになったことで、
外食文化の歴史が浅いケニア人の心を掴んだと思われます。
外食という点では、日本のファストフードも人気です。
丸亀製麺を運営するトリドール社がナイロビで
テリヤキジャパンというお店を出店し、
そのメイン料理になっているのが鶏の照り焼きです。
こちらは外国人やケニア人中流層の間で特に人気のメニューです。
一方、昔から親しまれた牛肉は、良質になってきた鶏肉に対し、
個人的に少し味が落ちてしまうと感じています。
実際、鶏肉を扱うケンタッキーフライドチキンは
ケニアに進出していますが、世界最大級のファストフードである
マクドナルドはケニアにありません。
理由は、ケニア国内で調達できる牛肉の質が
マクドナルドの求める基準値以下であること、
牛肉の輸入規制があることから、
国内外から基準を満たす牛肉の入手が
困難だからと言われています。
私たち日本人を含めた外国人は、満足できる牛肉を求めて
買い物のやり方を工夫しています。
精肉店によって質が変わるため、
利用する精肉店をいくつか掛け持ちをしています。
従業員とコミュニケーションを日頃からとることで
新鮮な牛肉がいつ店頭に並ぶかを教えてもらいます。
毎日精肉が入れ替わるわけではなく、
保管技術が優れているわけでもないので、
新鮮なお肉を一度に沢山購入し
自宅で冷凍保管しています。
その他にもナイロビ大学などの大学で
研究目的に飼育されている牛を研究後解体し、
欲しい部位を精肉にして販売してもらうという
日本では聞かないお肉の購入方法もありました。
さらに、最近では団体や個人企業で
牛肉の品質向上に取り組む動きもみられます。
例えば、日本人や外国人の方々がこぞって注文する
デリバリーサービスがあります。
これは日本人を含め複数の外国人が協力し、
ケニア人の牧場を管理し生産から精肉、販売まで
一貫して行っているものです。
新鮮だけではなく、生産者が見えて、
どのように飼育されているかが分かるので
安心して食べられると人気があります。
経済発展と共に国民の所得が向上し
在留外国人も増加したことから、
ケニア人における「食」は、明日生きる為の「食料」から
「食料の質と安全」へと変化しています。
普段の生活からもケニアの著しい発展を肌で感じる毎日です。
次回はケニアにある日本モノについてお届けいたします。
2016/7/27 E W Africa, Schema Corporation