皆様初めまして。
日本から1万キロ以上も離れた、アフリカはここケニアよりお便です。
皆様はケニアというと、どの様なイメージをお持ちでしょうか?
私が日本を離れた時、周りからは
「サファリに住むの?」、
「ちゃんと生活出来るの?(ライフラインがあるのかということ)」
などと聞かれました。
もしかしたら皆様が思い浮かぶケニアのイメージも、
広大なサファリに沢山の野生動物なのかもしれません。
私もそのようなイメージを持ってケニアの地に足を入れましたが、
真っ先に向かったナイロビ国立公園で高層ビルを遠目に見ながら
野生動物が優雅に佇んでいる光景をみた時は、
それまで持っていたケニアのイメージを覆された瞬間でした。
このサファリにいながら高層ビルが見える光景は、
今でも不思議な気持ちになりますが、自然と経済発展を共存
させようとしている、ケニアの将来を見ているような気がします。
近年、ケニアは目覚ましい経済発展をしています。
ケニア政府は国を挙げて’東アフリカ地域のゲートウェイ’としての
役割を果たそうと、諸外国企業の誘致に取り組んでいる様です。
日本から遠くあまり知られていない国ですが、日本の経済発展に
ケニアが近い存在になる可能性は大いにあります。
そのまだあまり知られていないケニアについて、
ビジネスのこと、日常生活のことなど、
日本にいると考えもしないようなお話を、
定期的に皆様にお届けしたいと思います。
また、ケニアに関わるお仕事をされていらっしゃる方も、そうでない方も、
この便りを通じて少しでもケニアを身近に感じて貰えたら嬉しいです。
初回は、ケニアの中の日本・日本人についてお伝えしたいと思います。
日本からみれば、ケニアはとても遠い国ですが、
ここケニアからは日本が近い存在の様に感じます。
在ケニア日本国大使館の情報によれば、ケニアの在留邦人数は
約700人と言われています。
これは諸外国の在留邦人数に比べればかなり少数派で、
外務省の調査による直近データ(2013年度)の在留邦人数では、
最も多いアメリカ(約412,600人)の約589分の1です。
しかしその数には劣らず、皆さんそれぞれの活動を通してケニアで
活躍されています。
皆さんが頭に浮かぶ、ケニアにいる日本人と言えば、
国際協力・ボランティアに関わる人達でしょうか。
今年日本では、ケニアで活動をする日本人医師をテーマにした邦画が
上映されたと聞いていますが、医療だけではなく、金融・社会・保健衛生・
農業・教育・平和・文化・自然環境など多種多様な分野で
国際協力・ボランティア活動に携わっている日本人がいらっしゃいます。
またODA(政府開発援助)の調査によると、
戦後の援助実施体制が整った1960年代後半から日本によるケニアへの
援助が開始されその歴史は古く、また直近データの2013年度に行われた
日本のODA供与相手国でケニアが第7位(270.34百万ドル)。
諸外国の対ケニア経済協力実績では直近データの2011年に
日本が第5位(79.74百万ドル)で、これは上位5カ国のうち、
唯一日本がアジア諸国で 入っています。
また、国際協力・ボランティア活動だけではなく、それぞれの利益活動を
通してケニアに貢献している日本人も多くいます。
電気、水、道路などのインフラ建設・エネルギー・自動車・食品・日用品
などの分野に携わる日系企業が挙げられます。
例えば、ケニアの道路は亀裂が多く舗装がしっかりしていない
ガタガタ道がとても目立ちますが、日本企業が手がけた道路はしっかり
舗装がされて非常に走りやすい道路です。
ちなみに日本政府の援助で作られたため、ラウンドアバウト(環状交差点)
の真ん中にはケニアと日本の国旗をあしらった石像が建てられています。
そして、ケニアで走る自動車のほとんどは日本車です。
その多くは日本からの中古車ですが、質が非常に良く故障も少なく、
また日本車のメンテナンスもしっかり整っている為、中古車の中には、
日本の新車に近い値段で売られている中古車もあります。
その在留邦人数が少人数なこともあり、日本人同士の繋がりは強く
日本人会と呼ばれるコミュニティーが形成されています。
その活動はとても活発的で、例えばバザー、お祭り、運動会は
毎年行われている日本人会の大きな行事で、
またクラブ活動は毎週どこかで行われ、年齢や業界などの垣根を越えて
多くの皆さんが参加されています。
ケニアでは安全上、簡単に表を歩ける環境ではないため、このような
機会を通じて皆さん交流を図っています。
そして、それらの活動を発展させて、ケニア人と日本人との文化交流も
積極的に行われています。
先日は、日本の踊りが披露され、ケニアの新聞紙でも取り上げられました。
各種新聞紙では日本についてもよく取り上げられ、最近では終戦記念日での
安倍首相の演説が新聞一面で大きく取り上げられていました。
この古くからケニアに根付いた日本とケニアの関係からか、
親日家な方をよく見かけます。
例えば、私が日本人だと答えると、特に年配の方々や教育関係に
携わるケニア人達からは日本をとても高く評価してくれます。
また著名人では、ボクサー選手の故ピーター・オルワ氏やマラソン選手の
キャサリン・ヌデバラ氏は非常に親日家です。
私の場合はいうと恵まれた機会が重なった結果でここにいるのですが、
ケニアにはアンビションを持った沢山の日本人が日本とケニアの将来の
発展に向けてその距離を縮めています。
私も皆様にお便りを通して縮めていけたらと思います。
次回は、ケニアに住む日本人はどんなところで住んでいるのか、
ケニアの国についてお便り致します。
※ケニアについて以下のHPが参考になります。
外務省HP
在ケニア日本国大使館HP
2015/8/28 E W Africa, Schema Corporation