北米西岸の現場から港湾ストの最新情報が入ってきました。
貨物量が依然として好調であることに加えてスローダウン戦術がからみ混乱が続いていると報じられています。
■北米西岸港湾スト、最新情報
先日、北米西岸のうち北部地区のタコマ港・シアトル港での状況をお伝えしましたが、南部地区のロスアンゼルス港・ロングビーチ港にも影響が波及してきています。
北米西岸各港でのスローダウン戦術によるコンテナ荷役の低下は一段と深刻になってきています。
コンテナ船は専用のコンテナふ頭側のクレーンでしか積み下ろし作業ができません。
コンテナを運ぶための道具(コンテナシャーシ)を準備できないとコンテナヤードに搬入することができません。
貨物量が多くなっているため、このコンテナシャーシも不足しているようです。
またコンテナ自体は自力で陸上運送をすることはできません。
シャーシを運搬するためにはトラック部分(ヘッド)が必要ですが、このトラッカーも不足しているようです。
このような状況のため、ついにコンテナ船の運行各社は船混み割増料
Congestion Surchargeを発表する事態になってきています。
■Congestion Surchargeとは?
コンテナ船の運行会社は、船主に対して用船料を支払ってチャーターしています。
1時間でも遅れれば追加の用船料を支払うことになります。
北米西岸各港のコンテナヤード側での受け入れキャパが不足すると、予定の時間でコンテナ船の運行ができなくなります。
輸出入港が混みあい追加の用船料が発生するため、コンテナ船の運行会社は荷主対して費用負担を求め、船混み割増料Congestion Surchargeを請求しだしています。
航海日数の短縮、コストダウンを求めてコンテナ化が導入されました。
しかし、コンテナ物流は受け皿のコンテナヤード側での受け入れキャパが条件となります。
いままでオイルショックや地域紛争などにより海上輸送が大きく影響を受けたこともありました。
都度、荷主各社は費用負担をして国際海上輸送体制を維持してきました。
北米西岸各港のコンテナヤードだけでなく、内陸地点でのヤードも混乱しているとの報道もあります。
少なくとも年内一杯はこの状態が続き、年明け後も中国正月前の輸出需要があり2月頃にならないと収まらないとする予想もあるようです。
ターミナル混雑、機材・人材不足による影響が早くに解消することを願っています。
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