輸出管理に関する最新報道から3記事を選んでみました。
■新たな輸出管理の協議が始まっているという報道記事
「武器というよりは、防衛装備品という言葉の方がしっくりくると思う」
「呼び名も実態に合う形で示した方が、国民に正確に伝わるのではないか」
つい最近の小野寺防衛大臣の発言です。
「武器輸出3原則」から「防衛装備移転3原則」への見直しが行われています。
軍事品(武器)は原則輸出禁止、一部例外と複雑になっています。
わかりやすい輸出管理の原則にしようという動きです。
たとえば、災害時に防衛装備品を輸出できるようにする。
偵察ロボットを利用して、倒壊した家屋の内部を映像で確認できるようにする。
探知透過装置を利用して、壁の内側にいる人の動きを探知できるようにする。
「武器」と「防衛装備品」の解釈、どうちがうのか判断が難しいですね。
それだけに安全保障の観点から日本版NSCが輸出の可否の最終判断をするとの報道もあります。
経産省との調整など輸出者にとってわかりやすい輸出管理行政を望みたいものです。
■外為法(輸出貿易管理令)の違反原因についての発表記事
経産省では2007年から2011年の外為法違反の原因分析を発表しています。
・該非判定の未実施 62.1%
つまり、「輸出するのに事前の許可が必要とは知らなかった」
・該非判定における該当項番の適用の誤り 16.7%
つまり、「輸出貿易管理令の法律を解釈するのが難しい」
輸出する前に、外為法に該当するかどうかの判定(該非判定)を行い、該当する場合は事前の許可を受ける必要があります。
違反原因の2番目「法律を解釈するのが難しい」に注目です。
法律を読みこなすのに16.7%の方が苦労しているということですね。
悪意がなくても法令適用の誤りで違反に問われることもあるということです。
■半導体製造データを無断で持ち出し海外転職した事件
先端技術データを持ち出し海外ライバル企業に転職、提供したかどで逮捕された事件のことです。
新聞報道では不正競争防止法違反とありますが、輸出貿易管理令にも関連があると思えます。
今回の新たな輸出管理の協議には、技術移転を管理する仕組みの見直しも含まれています。
技術の輸出・提供の場合も輸出貿易管理令が適用されています。
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2014/03/17